イングランド1−0エクアドル

退屈に見えて、実は高度な戦略の駆け引きが見られた試合…、と聞こえはいいけど、実の所両チームとも慎重すぎて

ゲームとしては面白みに欠けた試合でもありました。



エクアドルの狙いはイングランドの中盤でのパス回しをカットしてカウンターで一点狙い。

イングランドも当然それは読んできたのか、不用意にパスを回さずDFラインからロングボールをルーニーめがけて

放り込み、カットされてエクアドルの攻勢、という展開が前半から続きます。とはいえエクアドルも攻めるときは

人数をかけないので決定的に崩す事も出来ない、と膠着状態の前半。

特にエクアドルの守備は完璧に近く、強固なバリアーと言ってもいいほどDFからFWまで組織的に守備陣形を形成。

  • 前半唯一の決定機


ロングボールの処理をジョン・テリーが誤り、カルロス・テノリオがGKと一対一に。しかし、シュートに飛び込んだ

のは全力で戻ったアシュリー・コール。コールの足に当たったボールはクロスバーを叩いてノーゴール。

終わってみればこれが試合の行方を左右した事になります。

  • 後半

慎重すぎる前半を終えて、相変わらずのイングランドを尻目に序如にエクアドルがボールを支配しだし、イングランド

はやや押されぎみに。そんな展開を打開しようとクラウチを投入しようとしたその時、

デビット・ベッカムの高速FKが右ポストに当たりゴールイン。分かっていても取れないようなスピードと

コース・これぞワールドクラス、というゴールでした。あの局面であのコースに冷静に決められるベッカムの精神力に感服。



エクアドルも攻撃に転じようとするも直後にイングランドDF陣を翻弄していたカルロス・テノリオが負傷交代。

攻め手を失ったエクアドルデルガドも集中マークに本来の力を発揮できず。



逆にイングランドルーニー・ジェラード・ランパードが次々に決定機を作るも決められず1−0の膠着が続く。

しかし、途中交代で入ったアーロン・レノンが右サイドでいいプレイをし、流れはイングランドのまま。

エクアドルは飛ばしすぎたのか全体の運動量が落ち、決定機を作り出せないままタイムアップ。

  • 個人的MVP


アシュリー・コールです。今日の展開からするとあそこでエクアドルに一点入っていればイングランドは相当苦しい試合に

なっていたはず。それ以外にも攻守に抜群の運動量を見せました。


ルーニーも良かった。1トップ向きの選手ではないのにしっかりとボールをキープし、90分間尽きることなく動いて

チャンスを作り続けました。もう心配は要らないと思われ。


とはいえイングランドもいいサッカーをしているとは言いがたく…、特に点が入るまでは想像力と組織力の欠片も無い

個人能力とロングボールのみの単調なサッカー。90分間常に走り続けキープし続け、チャンスをつくり続けるベッカム

がいなかったら一体どうなっていたことやら…、誰だよ開幕前にベッカムいらないとか言ってたアフォ評論家は。


イングランドのミッシングピースは未だにいくつか見つかりません。

見つかった一つがボランチでいいプレイを見せたマイケル・キャリック。特にDFラインと前線のコネクト役として

攻守両面で機能。

問題はジェラードとランパードか…、ジェラードはなんやかんや言っても結果(2得点)は出してるけど、

ランパード…。チェルシーの試合あんまり見ないから普段の彼と比べてどうなのかは分からないけど、

この程度の選手か、という印象。絶対的な存在かもしれないけど、思い切ってスタメンから外す決断をしないと

いけないかもしれない。ジェラード・ランパードの共存が難しいのはジェラードのコメントからも読み取れる。

エリクソンさんもそろそろ決断しないといけない時かね。このままでは準決勝でブラジルかスペインに勝つのは

夢のまた夢で終わってしまう公算が高いっすよ。