2005年総括


2006年もはや10日、ようやく落ち着いてきたところで、去年の総括なんか簡単にやってみます。まずはメインである漫画、アニメ界。
一位まで書いてしまうとあまりにも長くなってしまうので、2位からベスト5を。




二位・ARIA THE ANIMATION
最初に驚いたのは10月頃、毎日チェックしていたはてな注目キーワードの上位50に、信じられないキーワードが



2,ARIA



ARIAが2位?言及数100オーバー?
冗談抜きで我が目を疑いました。ちなみに其の時の一位は電車男、こちらは500オーバーでした。理由がアニメの放送によるものだということは放送をチェックしていたのでわかっていましたが。それにしても…、昔はブレイドが発売された時でも言及しているのが自分だけだったりとかマイナー路線一直線だったのですが、アニメが終了した今でもまだトップ50の常連ですから。原作ファンとしてはアニメから入った人が原作も読んでると嬉しいものです。ぜひAQUAから読むことをおすすめします(藍華と暁のガチャペンVSポニ夫のからみはAQUAでしか見れない)。ARIAでは四巻がおすすめ。



そしてアニメのほうですが、音楽や演出はいうまでもなく神です。ラストの3週連続最終回(マテ)は圧巻でした。



さて、その 二回目の最終回である第12話と、オリジナルの第4話、これに共通しているテーマは、原作のほうでは登場していない、アニメのオリジナル。佐藤監督のオリジナルのARIAではなかったか、と考えています。象徴的なセリフが、4話のビデオメッセージ「私達の子供の代には、AQUAはきっと幸せで満ちた星になるわね」という言葉と、第12話の灯里のセリフ「数え切れないほどの人々の想いがあつまって、AQUAはできているんですね」というセリフです。そしてもう一つ。一話の「この星って、奇跡でできているんだよね」というセリフ。これらに共通するのは、AQUAの過去。
AQUAを作った人々が、自分が、友達が、その子供達が、幸せにこの星で暮らせるように、という想いを積み重ねていき、その結果として幸せに満ちた星=AQUAができた、という事です。原作のほうでは、AQUAの過去についてはほとんど触れられていないので、当然こういったセリフもありません。



しかし、それに近いセリフが灯里の言葉にあります。
もうその彼も彼女も今はいないのに、思いだけは消えることなく今も残っているんですね」(あれー、3巻がどっかいった( TДT) のでうろ覚えです)
ボッコロの日の由来(中世の時代、戦争で死んだ彼が彼女に最後に残したのは、彼の血で真っ赤に染め抜かれた白い薔薇。その由来で、ボッコロの日、という日には男性から女性に赤い薔薇を贈るならわしがある、というもの)を聞いた灯里の言葉です。物や人がいなくなっても、思いは消えることなく残る。4話を見たとき、この話を思い出しました。おそらく、佐藤監督はこの話を見て、AQUAの過去の話を考え付いたのではないでしょうか。




もともとこの作品で癒しとかヒーリングとかいう言葉を天野先生本人が使っているのは単行本のあとがきでは見たことはありません。この作品のテーマは、日常の中で見落としがちな小さな幸せを感じること、それを作品にするために感受性の強い灯里のようなキャラを主人公にして、特に事件を起こすこともなく日常をていねいに描いています。アニメ9話のグランマの話や5話のネバーランドの話なんかが象徴的な原作のARIAだと思います。



対してアニメ版はオリジナルの二話。AQUAを水に満ちた星にしよう、幸せに暮らせる星にしよう、そういった人々の思いと、それによって生まれた小さな奇跡が重なって、AQUAという幸せに満ちた奇跡のような星が生まれた、という事。前述の「思いは消えることはない」というボッコロの日の灯里の言葉を元に、「その思いはどんどんつみかさなっていく」、「思いが消えずにつみかさなっていき、AQUAが生まれた」という設定を考えられたのではないでしょうか(勝手な推測ですが)



通常であればこういったオリジナルの設定は、蛇足となりがちです。いきすぎると黒歴史の元になります(某ネギアニメの火葬etc)
しかし、このオリジナルの設定は原作をこわすことなく、原作を読んできた自分のようなファンにも新しい発見をさせてくれました。おそらく佐藤監督以外の人が担当されたらこの設定は生まれなかったでしょう。この作品と監督の出会いも、素敵な奇跡(恥ずかしいセリフ禁止)。
以上、藍華がいたら10回ぐらい禁止されていそうなアニメ版総括を終了します。おそらく4月から第二期、おそらくラストはレデントーレ、そして今日からラジオ、



まだまだARIAは終わらない








三位・銀魂
「わたしがMであなたがSで、他に何もいらないじゃない」 さっちゃん
「女王様なんかより工場長のほうが生産的だから偉いアル!やせこけた工場長とお呼び!」 神楽
「俺、手がフックなんだよ。もう海賊かハンガーになるしかねーんだよ」 銀時


…昔のBLOGでも書きましたが、最初は確実に10週で終わると思って読んでませんでした。しぶとく20週ぐらい過ぎても連載しているのでちょっと読んでみたら面白くてはまっていき、ついには全巻そろえてしまいました。ジャンプを購読しているのにもかかわらず単行本のほうも集めてます。読み始めたのはマダオ(まるでダメなおっさん、略してマダオ)の回ぐらいだったかな。



とにかくこの漫画、まともなキャラがいません。主人公が糖尿気味だったり、その助手がアイドルオタクでファンクラブの親衛隊長だったり、サディスティック星から来たサド王子がいたり、新撰組副長がマヨラーだったり、オバケの○太郎がいたり、おまけにヒロインはいまどき語尾が「アル」のチャイナ娘です(だがそれがいい!(死))
最近はアイドルのお通ちゃんとか、眼鏡っ子マゾくの一さっちゃんに押され気味で、ヒロインの神楽に連載当初ほどの存在感がなくなってきているのが寂しい所ではありますが、ここからヒロインとしての底力を見せてほしいものです。



銀魂-ぎんたま- 6 (ジャンプコミックス)

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四位 フタコイオルタナティブ
双恋という迷作恋愛ゲームのアニメ化作品ですが、メインのキャラを変えて、ややアナザーストーリー的にアニメ化したもののようです。元になったゲームのほうを知っていたのですが、双子が6組という設定をみただけでおなかいっぱいになってしまい、記憶の奥底に封じ込めていました。アニメのほうも見る気はなかったのですが、たまたま電源を付けた所で流れていたのでなんとなく見てみたら、


その瞬間、電撃が走った!


とにかく動く、しゃべる、女の子が走りまくり壊しまくる。水橋かおりのマシンガントークが炸裂する!ハイスピードの展開なのに、まったく作画が乱れない!



久しぶりの神作品認定!



作品への第一印象だけだったら、おそらくこの作品には出会えなかったでしょう。これも素敵な奇跡(もういい)。
水橋さんは名前も知っていたのでうまいのは納得でしたが、驚いたのが双樹役の門脇舞さん。新人でどっちかというと元気なイメージがあったのですが、沙羅役の水橋さんと対照的な抑えた感じの演技が素晴しく、一瞬でファンになってしまいました。ネギま!では出番の少ない所が悔やまれます。
二人よりも三人で恋愛、というギャルゲにありがちな都合のいい設定をストーリーの根幹にすえ、後半のせつない展開の柱にした所がこの作品の素晴しい所。
後半ややグダグダ気味になったのが少し悔やまれますが、最近見たアニメの中では間違い無くベスト5には入るぐらいの名作です。UFOTABLEが手がけた音楽も素晴しく、エンディングの「ふたりの時間」は名曲です。
注:UFOTABLEはアニメ製作のほうで、音楽はenfoniusでした、失礼(´・д・`)


フタコイ オルタナティブ DVD-BOX Sara

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五位・土塚正弘
五位だけ作品ではなく人名(作者名)です。少年ガンガンマテリアルパズルという魔法バトル漫画を連載中。非常に筆の早い作家で、ガンガンの毎回二話連続掲載以外にも、パワードにて不条理ギャグ「清村くんと杉小路くんと」、さらにヤングガンガンにて剣道マンガ「BAMBOO BLADE」を連載するなど、スクウェアエニックス系の雑誌で(こき使わ)活躍されています。マテリアルパズルは本格魔法バトルものですが、ギャグマンガ作家らしくところどころで一話まるごと使って脱力系ギャグをやるなど、適度に力を抜いて読めるのが好評のようです。自分は清杉から読んでいたのですが、この作家が本格ストーリーものをすると聞いて、ネタとしか思い浮かびませんでした。そして期待しながら読んだ第一話、散りばめられた数々の複線に、とんでもない名作への予感を感じたものです。今は…、まあ、それなりですね(注、いや、毎週楽しみにしてますよ)。