最後の最後に繋がった「糸」〜銀魂105話「何事もノリとタイミング」感想等


動乱編最終話 感想です


「全部背負って前に進むだけだ 地獄で奴らに笑われねえようにな」〜土方十四朗


うーん、とりあえずあの演出はどうかと思いますけどね…何かと言うと、伊東の最後のシーン、まあ原作でもあったけど、何だあの古臭い演出は〜という印象がどうしても拭えない。それがよさというのもあると思うんだけど、やっぱりなんというか、時代にそぐわないというか…特に伊東が斬られた後に画面全体が滲んだようにぼやけて見にくくなる演出がどうもねえ…え、俺だけ?

…すいません、良かったです。最後のようやく繋がった糸が見えたのは、前回「気付かないうちに繋がっていた」というように、伊東が自分のほしかった物がすでに手元にあった事に気付いていなかったから見えなかったんだろうな、と。さながらオームに包まれるナウシカのごとく次々と隊士達と糸が繋がっていくシーンは素直に、そして着実に涙腺を破壊して比喩的でなくウルッでなくてボロボロ来ました…あの演出は反則すぎるわ。裏切り物としてでなくて、仲間として終わらせるために、あえて粛清という形を見せた真撰組。このあたりの解釈とか感情の入れようはなかなか難しいものがあると思います。自分も漫画で見た時は、そのあたりの意図がちょっと微妙に伝わらなかった所もあるし。まあそのあたりは人と人との関係とはどういう事か?とかそのあたりまで考えていかないといけないのでちょっと割愛しますが。それにしても印象に残ったのが、伊東が真撰組と万事屋の関係に対して「仲間とか友達とか、そういうものでは測れない」みたいな事言ってたのですね。友達とか馴れ合いの関係じゃなくて、たがいに反目し合ってるけど、どこかできっちりと切れない糸で繋がっている。人と人との関係というのは、そういう言葉じゃ表せないような深いもんじゃね?と言ってるような気がします。やっぱり空知先生はロマンチストだなあ、と思える解釈だ。



気をとりなおして…今回はまたOPがEDだったんですね、でもEDの「SANAGI」の歌詞は今回の伊東をクローズアップした回に当てるには歌詞がちょっと残酷なような気がしないでもないよな気が…未来への希望の歌だしねえ。


今回は総作画監督の竹内さんが一年半ぶりぐらいに作画監督を務めた回。前回の担当が美人巫女姉妹(笑)の回だから本当に久々、気合の入れ方がわかるわ。アクション自体はそれほど多くは無かったけど、ゴリさんが力まかせに敵をぶった切るシーンから、沖田が神速の剣を見せるシーン、そして土方の高速の殺陣シーンは素直に鳥肌が立った。銀魂の長編の良さっていうのは、ギャグアニメがお遊びでバトルものをやってるような雰囲気が一切無いという事だと思うんです。ギャグだから、シリアスだからと区切らずに、遊ぶときもシリアスなバトルも常に本気の全力で仕上げてくるスタッフのおかげで、長編の評価が高いんだと思う。今回の動乱編もまた素晴らしかった。特に後半は、ギャグほぼ無しでもこれだけ続きが気になるものを作れるという事を証明して見せたと思います。で、EDの「曇天」フルが流れてる所で思ったんだけど、銀魂の長編って「映画」を意識して作られてるよなあ、と。毎回ラストに特別版の総集編みたいなEDを持ってくるのは、続けて見た人に対して、短編の連続であるアニメ銀魂でなくて、ひとつながりの映画を見た後のような印象を与えるためじゃないかな、と思った。普段は普通に短編のアニメを作っておいて、長編になると映画クオリティのものを作るつもりでやってるんじゃないかと、それが特殊OPとかEDに現れてるんじゃないかな、と今回見て思いました。


後今回良かったのは、伊東が新八と神楽に対して語りかけるシーン。言葉の端々から伊東の無念さ、悲しさが伝わってくるようでした。漫画を見た時はこのシーンでは別に何も思わなかったんだけど(その後の最後の土方のシーンでは来ましたけどね)、言葉に感情をこめるというか、台詞に感情を持たせる事、またそういう演技ができる事は素晴らしい事だと思います。今回はあのシーンの真殿さんが素晴らしかった。どこがどう?とか具体的にはいえないけど…。もちろんその後の最後までもね、最初に聞いた時は若干イメージと違うかな?とも思ったんだけど、回を経る毎にしっくりと来た。むしろ通常の余裕のある伊東よりも、こういう感情を爆発させたりとか、弱い部分を見せたりする時のイメージに合わせてキャストを選んだのかな。アニメが好きで色々見てるけど、やはりベテランの声優さんの表現力というのは凄いものがあるな、と今回の長編を見ていて感じました。


そして万斎と高杉のシーン、あれは決別と思っていいのかなあ。闇夜に響く三味線の音が、高杉の孤独を表現しているように見えました。


Bパートは山崎の葬式と見せかけて、とっつぁん@若本規夫の愛犬のお葬式がメインでついでに山崎でしたが…こっちはまたしっかりとギャグパートですな。神楽が土方のマヨ団子をつまみ食いして吐いてたりとか、原作のミロが「NILO」になってたりとか、小ネタも混ぜつつ。どうでもいいが真撰組の隊士の一人、杉田さんの声だったよね、確か。御大が「甘茶でカッポレ」とか言って腹踊りしてるシーンは保存版にしとこう。ギャグパートとシリアスとの落差も作品の魅力だよね。山崎の安否は雑誌掲載時に皆に心配されてたからアニメ組の人は心配する期間はまだマシな長さだと思いますが。だって雑誌の場合は10週ぐらい、ほぼ毎回「ええい!真撰組はいい!山崎はどうした山崎は!」(矛盾してるような)だったからねえ。某掲示板では山崎の墓が毎日のように貼られて、見てるほうとしては山崎って意外と愛されてるんだな、と妙な感想を持ったりとかしてましたが。まあそれはいいとして、最後の副長復活からプリキュアの着メロ、そして最後の「土方でござる」まで、長編としてはいい感じで締められたんじゃないかなと思います。


次回は「恋愛ってたいていサドンデス方式」…オリジナル回だが予告の段階で既に爆笑してたんだが、一体何をどうする気だスタッフwww
尼羅夫大作=あまらおだいさくって、FC東京の許可取ってるのかスタッフwww
最近引退試合をやったばっかりのアマラオを起用するとは相変わらずタイムリーに定評のあるスタッフだwww
まあオリジ回の評判がかんばしくないのはスタッフにも伝わってるだろうから、ここらで一発きっちりと決めて決定力のある所を見せて欲しい所ですな、題材がサッカーだけに(うまくねーよ

追記:今メイドガイ見てたらマダオのナレーションが聞こえてきたwww